ニューアルバム「DINOSAUR」発売から2週間ほど。何周か聴いて、耳に馴染んできたので、感想をまとめた。
1.Dinosaur 評価☆☆☆☆☆
最初に聴いた時は行間がかなりあるなと感じた。その間にギターが入り、かっこいい仕上がりになっている。二人がインタビューでも答えている通り、行間を活かした、挑戦的な曲と言えるのではないか。アルバム全体に言えることだが、ノイズがかなり入っており、音がこもって聞こえる。特にこの曲は多い。おそらく、ここまで入っていると意図的なのだと思うが、何周かすると聞くに堪えなかった。だが、MP3プレイヤーの設定で、イコライザーなどの追加効果をすべてオフにすると、ノイズが低減した。そうしてこの曲をリピートするようになった。前作のLas Vegasと比べてもこの曲は格段にかっこいい。歴代のアルバム1曲目でも随一だと思う。
2.CHAMP 評価☆☆☆☆☆
発売前にライブでフルで聴いて、「良い」と思った。その時の印象はヘビィで、自分好みだと思った。改めて聞くと、最初に抱いた印象の通りだった。今作のリード曲と言え、メロディ、演奏ともにかなりクオリティが高い。イントロからリフに入るくだり、「ぶっちぎる」の裏のヘビィなギターなどたまらない。
また、歌詞においてはこれまで小市民的な自信なさげな主人公が多かったが、この曲にはその姿はない。とにかく、「圧倒的じゃないと意味がない」と言い切っていて気持ち良い。ここまでの言い切りは未だかつてなかったのではないか。「ぶっちぎれ」ではなく、「ぶっちぎる」と己に向けているところも稲葉らしい。
3.Still Alive 評価☆☆☆☆☆
最初にフルで聴いたときは、震えた。ナンバーワンかもしれないと。今までありそうでなかった曲で、サビまでのメロディが圧巻。ギターソロはほとばしり、完璧だと思った。だが、それは一時のもので、だんだんと新鮮味を失い、少し飽きている。しかし、付属のロックインジャパンの映像、自分がライブで聴いた時、全然印象が異なった。ライブでは自分の大好きなMY LONLEY TOWNより良かったんじゃないかと思うくらい、化けた。
4.ハルカ 評価☆☆☆
「洒落てるな」が第一印象の曲。今までにないタイプの曲で、3曲目までのアッパーな流れを休ませてくれる。構成も凝っていていい。
5.それでもやっぱり 評価☆☆☆
ACTIONの「僕には君がいる」に似ていると思った。あの曲より、ギターが入り、ハード。次の「声明」につながる流れの中で、5曲目にこの曲があるのは良い。
6.声明 評価☆☆☆☆
パープルぽい曲という印象。今年のライブで1曲目でやったが、1曲目ということもあってかイマイチのりきれなかった。が、70年代ハードロックを感じさせる曲で、好きだ。
7.Queen of the Night 評価☆☆☆☆
ファンの間でも評価が高いであろう曲。サビがキャッチ―でよく、最後の「汗かいて」のあがるところが、特によい。ジャズの要素が入り、今までにない曲。ハルカと同じ路線で、今後もこのタイプの曲がでてくるであろう。
8.SKYROCKET 評価☆☆
タイトルに負けている曲。正直、あまり好きではないがライブではやりそう。リフもC’monの「DAREKA」ぽいのが、好きになれないポイントかも。「DAREKA」の方が、サビ以外のメロディ、歌詞が秀逸。
9.ルーフトップ 評価☆☆☆☆
ホワイトスネイクぽいロックバラード。ギターメインで進行しており、好きだ。ここまで、ギターメインのロックバラードは今までになかったのではないか。
10.弱い男 評価☆
遊びの要素が強い曲。稲葉がインタービューでも答えいるとおり、昔は違和感があったというコーラスをギターに被せている。ライブの中盤で挟みそうな曲。C’monの「ボス」あたりの立ち位置か。
11.愛しき幽霊 評価☆
ライブではやらなさそう。稲ソロぽい。このアルバムに必要だったのか。。。雰囲気がEPICぽいが、この曲の代わりに未発表の「自由への代償」などを入れても良かったのでは。
12.kings of the street 評価☆☆☆
C’monの「デットエンド」的な立ち位置の曲。最初は真ん中にあったというリフが特徴的で、よいが、ライブではノリが微妙そう。ライブの後半でやるには厳しそう。
13.Purple Pink Orange 評価☆☆☆☆☆
雰囲気がある曲。こちらも言葉を詰め込み過ぎず、行間を大切にした曲。行間を活かしたサビと、アウトロウのギターが堪らない。CDにこのギターソロを入れてしまっているところがこの曲の最大の評価ポイントだ。ACIONの「光芒」を思わせるが、また違う。少し癖があり、評価が分かれそうだが、光芒のようにぜひライブ本編のラストでやってほしい。
全体評価☆☆☆☆
とりあえず、前作は超えたなという印象。飛ばしたくなる曲もあるが、「CHAMP」など圧倒的な曲もあり、楽しめる。前作はそれが、「Black Coffee」と「Man of the Match」のみで厳しかった。
しかし、疾走感のある曲が並ぶACTIONにはやはり勝てない。今のところ、ACTION>CIRCLE>MAGIC>Brotherhood>DINOSAURといった感じか。