ヒノトリの有頂天ブログ

B'zを中心に、たまにプロ野球、倉木麻衣についてつづります♪

【B'z】アルバム「Highway X」感想・レビュー♪ ライブレポも

2022年8月にB’zのNEW ALBUM「Highway X」発売されました。かなり遅くなりましたが、本作の感想・レビューを書いていきたいと思います。執筆が遅くなったのは、アルバムを聴いていなかったわけではく、多忙と前回のアルバム「NEW LOVE」、リリース早々に記事を書いて過大評価してしまった反省にあります。それではレビューに移ります。

 

1. SLEEPLESS ☆☆☆☆☆

 アニメ「名探偵コナン」のオープニングテーマ。一聴した時はファンなら誰もが「MONSTERだ!」と思ったはず。ヘビーなリフながら、サビがメロディアスなB’zらしい楽曲です。歌詞はコロナ禍での「分断の不安」を歌詞にしたそう。1番と2番のつなぎにB’zとしては珍しく、ラップを取り入れており、新鮮さとメリハリがついています。ハードながら、流れるようなサビのこの曲は過去の曲を凌駕する魅力を秘めています。このアルバムでは一番聴いている楽曲で、筆者一押しの☆5です!

 

2. Hard Rain Love ☆☆☆

 ホーンをふんだんに使ったゴージャスなイントロが印象的なミディアムチューンです。以前に作曲した曲を今回、アレンジし直し、アルバム入り。ライブでも「B’zのLIVE-GYM」にようこそに配置された、存在感のある曲です。

 

3. COMEBACK ~愛しき破片~ ☆☆☆☆☆

 木村拓哉さん主演のボクシングをモチーフにしたドラマ「未来への10カウント」の主題歌とあって、歌詞もそれを連想させるものになっています。松本さん得意の昭和歌謡的なメロディーがとても心地よく、「歌詞、メロディー、アレンジ、すべてが合致したラッキーな曲」(松本さん)と自賛する、完成度の高いナンバーです。そのため、ライブでの盛り上がりも随一です。ぜひ今年のPleasureでも聴きたいです♪

 

4.YES YES YES ☆☆

 2020年の配信ライブ「5ERAS」の「DAY5」で、新曲として演奏されたナンバー。その時よりデジタル色が強くなり、マイルドなロックナンバーに仕上がっています。しかし、それがあまり好きになれない。。。「Endress Summer」がCD化された時と同じ印象で、エンサマと違って元楽曲がそれほど好きではないだけに、今ではあまり聴かなくなってしましました。

 

5. Highway X ☆☆☆☆☆

 本作のリードトラック。霧の中にいるような感覚から、最後、転調を経て晴れ間に変わります。似た曲となると「光芒」です。ライブではじめて聴いた時、すごく感動したのを覚えています。歌詞はSLEEPLESSと同じく、コロナ禍での鬱蒼とした空気を言語化したもの。稲葉さん曰く、最初はまったく違う歌詞だったようですが、この曲をタイトル曲にすると決めた後に、書き直したそうです。1961年製のレスポールの独特のギターサウンドがこの曲の良さを引き立てています。

 

6.マミレナ ☆

 ジャムセッションぽく、ラフにスタートする曲です。歌詞は「ぬるいこと言うなよ、みんな苦しいんだよ」といった語り口調が中心です。「マミレナ」というのは稲葉さんの造語で、「つべこべ言わずに飛び込んで、何色にだって塗られてごらんよ」という意味を込めているそうです。ただ、全体的にロック色が薄く、ラフな曲のため、あまり好きな部類の曲ではありませんでした。

 

7.山手通りに風 ☆☆

  本作で唯一ほのぼのとした楽曲で、稲葉ソロの「ルート53」ぽいナンバーです。稲葉さんが都内を走る道路「山手通り」で、実際に見た年配夫婦の様子から膨らませて歌詞にした曲です。珍しくテレキャスターを使っています。ふとした時に、この曲のサビが頭の中に流れるので、サビのメロディーが良いんだと思います。

 

8.リヴ ☆☆☆

 横浜流星さん主演の映画「嘘食い」の主題歌。イントロ、ギターソロ前のトランペットが夜の雰囲気を醸し出しています。全体的にトランペットが入るアレンジとなっています。ですが、やはりそれが好きではありません。「ひとりきりで泣いて、ひとりきりで笑う~」からはじまるイントロや「あなたの歌う声、あなたの咽ぶ声~」の間奏など、耳に残るフレーズが随所に散りばめらているだけに残念です。

 

9.Daydream ☆☆☆

 本作で最初に制作したブルージーな曲。そのため、先行き不透明なコロナ禍の社会情勢が、サウンド、歌詞も現れていますが、味があっても好きです。松本さんはイントロ、A、Bリフ(アルペジオ)に自信があるらしく、一聴の価値があります。

 

10.UNITE ☆☆☆☆☆

 2021年のMr.ChildrenGLAYとのB’z主催の対バンライブのタイトル曲。2021年に配信リリースされていましたが、本作ではドラムが、シェーン・ガラースからブライアン・ティッシーとなり、パワーアップ。非常に魅力的なロックサウンドになっています。歌詞はUNITEライブを受けて制作したといいます。アルバムツアーでも本編最後に演奏されるなど、「B’zにとって重要な曲になりました」(稲葉さん)と語っています。メロディアスなメロディーとハードなロックからなる"B’zサウンド”を具現化した曲で、また一つ名曲が生まれたと言っていいと思います。

 

11.Your Are My Best ☆☆☆☆

 テレビ朝日世界水泳応援ソング。正統派のミディアムバラードです。この曲は2018年のライブツアー「LIVE DINOSAUR」の終演後に流れていた「不思議」の生まれ変わりです。歌詞はタイアップにちなんで、水泳選手を応援するように、ごっそり変わっていますし、疾走感を出すとためテンポが速くなっています。ライブではアンコール1曲目に披露されるなど、メロディーがとても良い曲です。ですが、原曲の「相変わらずほどほど忙しい日が続いているよ~」からはじまる歌詞が、人の心に寄り添う、温かみのある歌詞がとても好きだっただけに、落胆は否めません。その分だけ☆を一つ減らしました。

 

 

【総評】

Highway X ☆☆☆☆

(ACTION → DINOSAUR → Highway X→ MAGIC → CIRCLE)

 

本作はコロナ禍で長い時間を掛けて制作されたアルバムであることが、歌詞・サウンドに包み隠さず現れています。そのため、全体的にはやや暗い印象ですが、CIRCLEやBrotherhoodが好きな筆者は本作が好きです。コロナ禍の陰鬱とした空気感とキャリアを積んで円熟味を増した歌唱とギターサウンドがたまりません。そして、本作の最大の特徴は、全体でも曲によってクオリティにばらつきがあるものの、☆5を付けるような非常に完成度の高い楽曲が4曲も入っていることにあります。これは前作「NEW LOVE」とは決定的な違いです。本作は「Dinosaur」、「CHAMP」、「Still Alive」、「声明」、「Puple Pink Orenge」とクオリティの高い曲が入り、かつ全体的なバランスの良いハードロックアルバム「DINOSAUR」に及びませんが、DINOSAURに次ぐ、名作だと思います。本作は発売から時が経ち、年を跨いだ今でも繰り返し聴いています。

 一方で、このアルバムのツアーでは未発売のうちに、本作のほとんどの楽曲が演奏されました。コロナ禍でライブ開催が2年程叶わなかったことも相まって、既存曲の選曲は、さながらPleasureのような、「イチブトゼンブ」、「裸足の女神」、「ZERO」といった有名シングルがほとんどでした。未発表ながら、アルバムが非常に良かっただけに多くのファンの皆さんの落胆も大きかったのではないでしょうか?筆者も久々にライブに行きましたが、生のライブは格別なものがあります。ライブ初披露の「Thinking of you」(ELEVEN収録曲)が聴けたのは非常に感慨深かったのですが、B’zのライブが特別なものだからこそ、既存シングルのうち、1曲でも近年あまり演奏していない楽曲を、セットリストに組み入れていれば「印象が全然違ったのになあ~」と思った次第です。今年のPleasureでは、近年演奏されていないナンバーが聴ける淡い期待(笑)をもって、「Highway X」のレビューとしたいと思います。