2025年11月12日、約3年ぶりとなるB’zのNEW ALBUM「FYOP」が発売されました。本作の感想・レビューを書いていきたいと思います。タイトルはそのまま「エフ ワイ オーピー」と読みます。「Follow Your Own Passion」の略です。リリースから間もないですが、今の「Passion=情熱」のまま書いていきたいと思います。
★ライブのネタバレは一切ありませんので、安心してお読み下さい。
1. FMP ☆☆☆☆☆
今作のリード曲。アサヒスーパードライCMソング。曲名はサビで歌っている「Follow My Passion」の略。タイアップ先の商品である「スーパードライ」をイメージし、「渇き」と「情熱」をテーマに制作されました。B’zらしい疾走感のある楽曲ですが、イントロが中毒性のあるベースフレーズからはじまるなど、新鮮さのある曲。松本さん曰く、この曲は「兵2」としていたそうで、「兵、走る」の後継が必要になった時に出そうと決めていたのだとか。「兵、走る」と違い、この曲にはみんなでのコール&レスポンスのフレーズはありませんが、それ以上の持ち味がこの曲にはあります。歌詞も稲葉さんは「Passion=情熱」という使い古された言葉だけどと言っていましたが、さんざん聞いた言葉であろうと、「この曲のメロディーラインにはこの言葉しかない」。そんな気分にさせられる楽曲です。
2. 恐るるなかれ灰は灰に ☆☆☆☆
弁護士をモチーフにした連続ドラマ「イグナイト ~法の無法者~」主題歌。 1999年の「ながい愛」を彷彿とさせるヘビー楽曲。「ながい愛」より明るいサウンドですが、「ながい愛」が好きな人にはハマりそう。アルバム2曲目にこの曲をもってきているのがこのアルバムの凄さ。松本さんはドラマの台本を読んでヘビーなサウンドにすることを決めたそう。歌詞はサビの「君の必要としてる僕になりたい」など、ドラマとリンクしています。タイトルをサビでも歌っていますが、日頃聞くことのない言葉だけにクセになります。
3. 濁流BOY ☆☆☆☆☆
最高です。「B’zらしい疾走感と哀愁漂うメロディー。だけど新らしい。」そんな楽曲です。サビは2つあります。似てる曲と言えば前作の「COMEBACK ~愛しき破片~」ですが、それを凌駕していると思います。タイトルは歌詞の中には出てきません。なのにこのタイトルはインパクト有りすぎです。稲葉さんもインタビューで、「人が濁流BOYっているの初めて聞いた」と言っています(笑)。歌詞全体は「自分が負の連鎖に陥いった時、自分の魂が自分の魂を蝕んでいる」と感じ、詞にしたそうです。
4.鞭 ☆☆☆
情報屋をモチーフにしたABEMBテレビの連続ドラマ「インフォーマ ~闇に生きる獣たち」主題歌。2024年11月に配信。戦闘シーンも多いドラマにマッチする重厚なサウンドが特徴です。「冒頭の静の感じからスリリングな展開のリフが物語の緊張感を掻き立てます」と松本さん。サビの「ムチウチナ ムチナママ ムチニムチュウ ナンノムチ」をライブで合唱するのが楽しみです。
5. INTO THE BLUE ☆☆☆☆
シチズンの時計『UNITE with BLUE』CMソング。ほとんどが英詞で、一部「一秒ごと端々しく弾け」といった部分だけが日本語。全体的に「Blue=未知の世界に飛び込むと、新しい自分が待っている」とった趣旨のことを歌っています。最初はサビだけ英語で書いていたそうですが、しっくりこず英語を増やしたのだとか。言葉の意味はすぐには入ってきませんが(笑)、それだけに新鮮さがあります。サウンドはミディアムチューンの正統派なバラード。アメリカンな感じもします。いい曲ですが、「英詞のため、言葉が入ってこない」という個人的な理由(笑)で、☆1つ評価を下げています。
6.FAITH? ☆
今作で唯一飛ばしてしまう曲。稲葉さんの提案で、松本さんがかいた曲。最後のアウトロウの部分は松本さんが好きなマイケルシェンカーのオマージュ。歌詞は「愛や恋や信仰や執着、嫉妬の対象者を信じること」について歌っています。
7.片翼の風景 ☆☆☆☆
一聴すると、「うん、微妙かも?」と思いましたが、聴く程に染みてくるミディアムバラードです。この曲の肝は歌詞です。ファン必聴です。今年春~夏の松本さんの療養中の状況について、「その時あったことをそのまま書いた。そういうことはあまりないかもしれないですね」と稲葉さん。サビ冒頭の「雨が降ろうが槍が降ろうが~」は、6月に開催されたB’z主催のコラボライブ「UNITE#2」を、松本さんが出演を辞退する決断になった時、周囲からの批判のようなものもあったと推察します。また、その後も松本さんの病状は不明瞭なままであったため、ファンを中心にネット上では批判めいた言葉が飛び交っていました。こうした状況を鑑みてもなお稲葉さんは、「ここでなんなくあなたを待ってるから」と続けています。サウンドも間奏でギターの見せ所があり、静かなバラードでない点もB'zらしく良きです。松本さんによると、曲のコーラス自体は数年前に書いてあり、今回、フルコーラスで創って形にしたそう。
8. イルミネーション ☆☆☆☆
2024年放送のNHK連続テレビ小説「おむすび」の主題歌。2024年10月7日に配信限定シングルとしてリリースされています。今回のアルバム収録にあたり、ミックスが変更されており、クリアなサウンドになっています。このアルバムの流れの中で聴くと、名曲に聴こえます。やはりいい曲です!筆者は特に、2番Bメロの「心細さが勇気になる 君と一緒にいるならね」のメロディーと歌詞が好きです。この曲について書いた前の記事見返したら、冒頭の部分を挙げてましたね(笑)。それだけこの曲のメロディーがいいということで、ご理解下さい。
9.The IIIRD Eye ☆☆☆☆☆
アニメ・ルパン三世の映画「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族」主題歌。今作一押しで、スピード感のあるジャジーな曲です。筆者は元来、ホーンセクションを多用した楽曲は好きなではないのですが(前作のリヴなど)、この曲は別格です。B’zらしいけど、今までになかったメロディーラインと曲展開、サウンド、もはや天才的です。松本さんはルパンの主題歌を手掛けるにあたり、「子供の頃から観ていたルパン三世の音楽を担当させて頂ける事は光栄ですし、大変嬉しく思いました。オファーを受けてまず“JAZZY”というキーワード、イメージが浮かびました。B'zのROCKとJAZZY、そしてゴージャスなホーンセクションのMIXTUREで面白い作品になったと思います」と語っています。好きなルパンの主題歌のオファーであることから、より一層、楽曲制作に熱が入ったのだと思います。
10.その先へ ☆☆☆☆
ミディアムテンポのバラード。曲調は「片翼の風景」と似ています。楽曲制作にあたり、松本さんは稲葉さんに「こういう感じの詞を書いて欲しい」と久々にリクエストしたそう。歌詞は「人生、山あり谷あり」を歌っており、今後のB’zの「その先」を緩かなロックサウンドで、アルバムを締めくくっています。松本さんが自身の療養中に書き上げた曲といい、こちらも聴く程にメロディーが染みてくる良曲です。
【総評】
FYOP ☆☆☆☆☆
(FYOP→ACTION → DINOSAUR →MAGIC→ Highway X→ CIRCLE)
25年来のファンの筆者が断言します。過去のアルバムで最も良いです。筆者もリリース以来、時間を見つけて繰り返し繰り返し聴いています。発売以来、何度も何度聴いていた学生時代(MAGIC)に戻った頃のように、今、年数を経てまたB’zにこんなに引き寄せられる体験をしています。
今作は、☆5の楽曲(FMP、濁流BOY、The IIIRD Eye)だけでなく、ほぼ全曲が平均を上回るクオリティの楽曲となっています。曲数が10曲と少ないですが、前作と違い、曲ごとのクオリティにばらつきは少ないです。それなのに、突き抜けた楽曲もあります。
そして、このアルバムのポイントは制作期間中に、松本さんの病気療養があったことです。タイアップ曲は療養前の2025年4月以前に制作されたとみられ、それ以外の曲は2025年5月以降の療養中に制作したものと思われます。「片翼の風景」、「その先へ」は療養がなければ生まれ得ない歌詞・サウンドとなっています。
このアルバムのリリースが発表されたのは、2025年10月3日。リリースの1カ月強前かつライブ初日の数日前という、タイトなスケジュールでした。そのことから鑑みても、松本さんは依然、「無理できないのでは」と推察します。それだけに、病をおしてまで丹精に作られた楽曲達が身に染みます。
しかし、松本さんの療養を考慮せずとも、過去一の作品の違いはありません。ぜひこの作品を手にとってみて下さい。少し高いですが、メタルスマートフォンスピーカー付バージョンが、めちゃくちゃかっこいいのでオススメです(筆者はREDを選びました)。CDはもちろん、スマホスピーカーもに後悔することはないと思います。
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