有頂天ブログ

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新聞社の収益構造は?

 新聞部数の減少がとまらない。だが、新聞社の収益は購読料収入だけではない。部数が減ったからと言ってただちに潰れるわけではない。

 日本における新聞社の収入には、

①紙面購読料 一般に約65%
日本ABC協会によると、2017年前期の主要全国紙の発行部数は、読売新聞883万部、朝日新聞625万部、毎日新聞301万部、日経新聞271万部、産経新聞155万部となっている。また、各紙の2016年後期と比較しての下げ幅は、読売新聞-1.39、朝日新聞-2、38、毎日新聞-1.09、日経新聞-0.18、産経新聞1.63

 %と軒並み下がっている。朝日新聞にいたっては、約14万部がこの半年で減ったと考えると、減り幅はあまりに大きい。全世帯あたり、新聞がどれだけ普及しているか表す「世帯普及率」においても読売新聞では、15.01%と半年前と比べて、0.36%落ちるなど、各紙、値の低下が見られる。

②電子版購読料

 電子版を発行している媒体において、その内実を公開しているのは日経新聞だけだ。日経新聞のホームページによると今年7月現在で、電子版の購読者数は約54万7000部となっている。有料電子版を発行している朝日、毎日新聞において部数を公開していないのは、日経より部数が少ないからと見るのが自然だ。有料電子版を購読したいと考えているのは約1割という説もあり、有料電子版が今後飛躍的に伸びるとは考えにくい。また、新聞社は新聞を刷る輪転機など紙のための設備、印刷工場を保有しており、そのすべてをやめて電子媒体に切り換えるは経営的に難しいだろう。

③新聞紙面広告料収入 一般に約35%

 購読料の除いた広告料収入が残りの35%ということになる。日本新聞協会によれば、2016年の新聞の広告費は全体で5431億円(前年比95.6%)と、年4.4%も下がっており、年々下がっている。業界では2011年以降、2013年ごろ下げ止まりが見られたとの見方もあったが、それ以降も下げ止まりは見られなかったということになる。インターネット広告などの攻勢もあって広告業界自体の売り上げはここ20年で下がっていない。総広告費に占める新聞広告の割合は99年は40.0%だったのに対し、昨年は32.4%となっている。新聞の広告料は新聞社の発行部数によって決まるので、今後は新聞社も今までと同じ料金単価で広告料を得ることは難しいだろう。そうすると新聞広告費はますます下がり、今後ますますの新聞社の広告料収入が減少するとみられる。

④新聞電子版広告料収入 

 一般に電子版の広告料収入は落ちると言われる。それは紙面が多くのページに広告を配置できるのに対し、電子媒体では表示できる広告限られている。

⑤不動産収入 

 「新聞社は本業の収益が立ち行かなくなっているので、不動産で収益を補填している」という説がある。確かに、朝日、読売などは収益用不動産を抱え、利益を生み出している。特に朝日は有楽町マリオン、大阪の中之島フェスティバルタワーなど、全国各地に収益性の高い不動産を保有しており、高い利益率を叩き出している。とはいえ、 朝日の賃貸事業の売上は本業の5%にすぎない。これでは本業の不振を支えるだけの力はない。やはり、本業の売り上げが重要になってくる。2014年、予備校大手の「代々木ゼミナール」が全国の校舎の27校のうち20校舎を閉鎖し、駅前の校舎を不動産収益に変えた事例もある。しかし、学校法人として代ゼミの価値は低下した。もし、全国から取材網を撤退し、不動産収益に変え、記事の量や内容が低下するなら、新聞社としての価値の低下は免れない。

 

 以上から、新聞購読者数の減少がただちに新聞社を廃業に追い込むわけではないが、長期的な視点で見ると、購読者数の減少が広告費の低下を招き、新聞社の社会的影響力も低下し、新聞社の経営に大きな影響を与えていると考えられる。