有頂天ブログ

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福島の小児甲状腺がんの現実と今後

 福島県内の小児甲状腺がん及び疑いの子どもは、今年6月5日に公表された最新の福島県民調査報告書で、合計190人になったとされている。これまでに3度検査されている。1度目の検査に比べ、2度目で事故当時10歳以下の発症が2.7倍に増えている。チェルノブイリの例に照らすと、10歳以下の発症が顕著に増えたのは事故後6年目でそれが昨年=2016年に当たる。昨年10月の「第5回放射線と健康についての福島国際専門家会議」では、「福島におけるこの明らかな甲状腺異常の増加は、高性能な超音波診断機器を導入したために引き起された集団検診効果であると考えられる」としている。

 この190人という数字は、福島原発事故前まで日本における小児甲状腺がんが年間100万人に0~3人だった。今回の福島県の調査では年間100万人に301~401人の計算になる。専門家はこの数字を「20歳以下の県内の子どもが全員対象で、高性能なものを使ったらから見つかった。放射線の影響との因果関係は決定付けることはできない」といつもの言い分だ。放射線との因果関係を決定付けることができないとしても、因果関係があると仮定して対策していくべきだ。でなければこの調査の意味はない。これまでも都合の悪い事実から目を背けてきた。マスメディアも報道しなくなり、3度も検査となると、一度目でほぼみんな受けてきた検査も「前回の検査で大丈夫だったのだから、受けなくても大丈夫だろう」といった具合に受診率の低下が見られる。確かに過度に危機意識をあおって、子どもたちの日常生活や心象に暗い影を落とす必要はないと思うが、子どもを守る大人、保護者は危機意識をもって臨む必要がある。現実は厳しい。 

 そもそも、甲状腺がんは女性に多い病気で、近年そのバランスが崩れている。国立がん研究センターの資料では、1975年~2012年の甲状腺がんの男女比は男性が13%~28%で推移している。2008年の福島県の全年齢での男女比でも男性患者は25%にすぎません。しかし、11年以降の5年間の男性患者の平均は38%となっている。この事実を見ると男性患者の急激な上昇は、患者数の激増も相まって、放射線の影響と見るのが自然だ。ほかの見方をする方が難しい。甲状腺がんの5年平均生存率は早期発見時は100%で、末期でも71%となっている。

 したがって、県は今後も子どもたちに検査を受け続けるよう強く勧めるべきだ。早期に発見すればするほど甲状腺がんは恐怖を抱くがんではない。しかし、末期になると死亡率が低いながらも高まってしまう。甲状腺がん末期の子どもに生存率は71%だと突きつけるのは、100%でない限り、酷だ。

 そうならないためにも、子どもたちが初期被爆をしてしまった今、今後の内部被ばく=食物からの被爆は避けるべきだ。例え一つの食品が基準値以下でもそれが積み重なって、年間の被爆線量を超えれば人体に影響を及ぼす。だが、現実は適当だ。北関東の「道の駅」や自家野菜直売所などで販売されているキノコ類の放射性セシウムの濃度を検査すると、基準値を超えることは珍しくないという(2015年のAERAの記事より)。2015年の時点で、福島以外の検査体制は頻度、意識ともに甘いし、まして2017年にもなればもっと薄れている。風評被害だと切り捨てて、「食べて応援」のキャンペーンが進行している。放射線に県境はないので、必ずしも福島県産だからといってダメ、県産以外だから安全というわけではないし、食品よっても蓄積量が違うが、スーパーなどで買い物をするとき少し気を付けるだけで、例えばアサリがあって、茨城県沖のものと静岡沖のものをどちらを選ぶかで変わる。その積み重ねが内部被ばくの積み重ねを防ぐ。一例として、福島県産の米がおいしくて、全量放射線検査をし、検出限界未満だったとしても消費者は選ばない。資本主義の現代の日本にはほかに選択肢があるのだから。数ある米の中で、あえて福島県産を選ぶ消費者はあまりいないのが現実だ。反面、子どもがいる家庭でそれを選んでしまっている人いる。そこを少しでも気を付ければ、原発事故当時の選択肢がかなり限られている厳しい状況からは脱しているわけだから難しいことではないはずだ。