有頂天ブログ

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天皇の存在意義について考えてみる

天皇陛下の退位を認める特例法が9日午前、参院本会議で自由党を除く与野党の全会一致で可決、成立した。天皇の終身在位を定めた明治以降で初めてで、約200年ぶりの退位が実現する。退位は陛下一代を対象とするが、政府は「将来の先例となり得る」との見解を示している。今後、改元や儀式など代替わりに向けた準備が加速する。

【2017/6/9付 日本経済新聞 夕刊】

 先般、天皇退位が決まった今、改めて天皇の存在意義について捉え直す機会だと考えている。まず、日本国憲法第一条にあるように、

天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この 地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」

 日本国の象徴たる天皇制を廃止することはすなわち、日本国そのものの否定を意味する。日本は法治国家であるから、憲法の定める規定を外れることはできない。憲法を変えるほか、天皇制を否定はできないし、極端に言えば、天皇制を否定することは現在の日本国を否定することにつながる。

 現在、男系・女系など血統が議論されているが、これまで女性の天皇はいても、女系の天皇(母のみが皇統に属する天皇)はいない。日本古来約3000年の間、男系継承がなされてきたとされている。そこに天皇の正統性がある理由の一つでもある。

 また、天皇は日本神道の長であるとも言える。天皇の主な職務の一つに「宮中祭祀」がある。多くの日本人は神社に参り、伊勢神宮出雲大社などを畏敬の存在と捉えている。特に伊勢神宮に祭られているのは、「天照大神」、皇室の始まりである。多くの日本人が知らず知らずのうちに、ほかの宗教において、教祖に祈りを捧げるように、天皇に祈りを捧げている。正月など日本の伝統行事は神道由来だ。すなわち、天皇は日本人の精神性の象徴でもあるように思う。天皇制の廃止は、こうした日本古来の伝統文化を廃止することにもつながる。

さらに、天皇は外国の国賓を接遇したり、訪問する。外交官が何人も行くより、天皇一人が行った方が有効だと言われるくらい外交において天皇の役割は重要だ。

日本だけが、3000年の歴史の中で1つの国として存在し続けることができたのは、天皇という存在を維持できたからと考えることもできる。明治維新でも天皇制の維持は変わらず、第2次世界大戦でも天皇制は維持されたことを考えれば、今後、戦争やそれを上回る事態でもない限り、天皇制を廃止する積極的な理由はない。

 したがって、天皇制の廃止は現在の日本国を終わらせ、新しい日本国を創造する必要がある。1945年以降、対米従属をやめられない日本が、天皇制を廃止すれば、米国の一部となる流れとなるだろう。せめて、天皇制を維持することが対米従属から現在の日本を守る最後の聖域なのではないか。今上天皇の存在だけでなく、正統性のある「天皇制」維持の関点から今後の皇室政策を議論すべきだと思う。

 もちろん、国民が現在の日本文化を排し、米国の州の1つとなり、純血な日本人が減っても良いと望むなら天皇制の廃止はやむをえないだろう。だが、そこに天皇の存在意義を見出すなら天皇制を排すべきではないのではないか。