有頂天ブログ

社会情勢を中心に時に、プロ野球や音楽などをつづります♪

新国立競技場が負の遺産にしないために

 新国立競技場の建設案が安倍首相により、白紙撤回された。建設費用が2520億円とかなり高額になるためだ。建設費用が当初の約1300億円より大幅に高騰したのにはさまざまな理由がある。報道で指摘されている通り、甘い見通しと無責任な仕事でここまで至ったとされる。

 そもそも新国立競技場は何のために作るのだろうか。もちろん、その念頭には2020年の東京オリンピックがある。しかし、東京のど真中に作るのだから競技場の役目がそれだけで終わるわけではない。オリンピック終了後もサッカーや陸上競技、コンサートなどに使用できなければ、ただの箱だ。コンサートをするためには屋根が必要だ。従来の国立競技場は音量制限の問題などあり、特定のアーティストしかコンサートを開催してこなかった。多くのアーティストに大規模なコンサートを開いてもらうためには屋根は必要不可欠だ。屋根も中途半端なものではなく、密閉され音が外に漏れないようにする必要がある。

 そこで参考になるのが、開閉式で、密閉屋根を備える「福岡ドーム」だ。建設費は1993年当時で、約760億円と1000億円を下回る。今回の新国立競技場は8万人規模がベースだが、そもそも多すぎるのではないか。これから人口減少も進む中で適正規模のスタジアムにするべきだ。価値観が多様化する中で今後、大規模なコンサートなどが開催しにくくなる懸念もある。福岡ドームプロ野球開催時の収容人数は約3万8000人だから、新国立競技場の立地が東京ということもあり、56万人規模にする必要もあるだろう。

 このように前提としてオリンピックを念頭に置くのではなく、天然芝の問題などを含めて通常のスタジアムとしての機能・利便性を重視したものにすべきではないだろうか。その上で、予算が許すのであればできるだけデザインの映えるものが良いと思う。当初のザハ氏の案は確かに美しく、多くの人の目を魅了したことだと思う。予算が無限にあればザハ氏の案も成立するのであろうが、もはや維持や規模も問題など含めて不可能なのは明白なのではないか。